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頑張っても評価されない整備士へ|「技術力」より大事だった”貢献先”の話

整備士ライフ

「これだけやっているのに、どうして評価されないんだろう」

面倒な作業を引き受けて、毎日きっちりこなして——。それでも給料も役職も、思ったように上がらない。

そんなモヤモヤを抱えて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。

先にお伝えします。あなたの頑張りは、間違っていません。ただ、「頑張りの向き」が、評価される向きと少しズレているだけかもしれない。

私は整備士歴20年以上。ディーラーで10年以上働き、一度異業種へ転職して失敗し、今は民間整備工場で働いています。そして私自身、「作業量と資格」で評価されず、そのあと”あること”に気づいてから評価が変わったという遠回りをしました。

この記事では、その実体験をもとに、「評価されない整備士」が抜け出すための一つの考え方をお話しします。

「頑張っているのに評価されない」——その感覚は、間違っていない

まず言わせてください。評価されないと感じること自体は、あなたの努力が足りないからではありません。

整備の仕事は、そもそも評価されにくい構造を持っています。

  • 技術力は、数字に表れにくい(速く正確に直しても、伝票には同じ工賃しか乗らない)
  • 「できて当たり前」の世界で、ミスは目立つが、丁寧な仕事は目立たない
  • 昇給・評価の基準そのものが、はっきり示されていない職場が多い

だから「頑張っているのに評価されない」というモヤモヤは、真面目に仕事に向き合っている人ほど抱えます。それ自体は、おかしなことではありません。

ただ——私は、ここで長く立ち止まってしまいました。その失敗談から、お話しさせてください。

私も「作業量」と「資格」で評価されなかった

ディーラー時代、私は自分なりに「評価されること」をやっているつもりでした。

  • 誰もやりたがらない面倒な作業を引き受ける
  • 社内検定を取得する
  • 班長業務をこなす

作業量を増やし、資格を積み、責任ある役割もやった。「これだけやれば、さすがに評価されるだろう」と思っていました。

でも、思ったようには評価されなかった。

正直、当時は「なんで分かってくれないんだ」という不満ばかりが溜まっていきました。今振り返ると、私は「たくさん作業した」「資格を取った」という”自分の頑張り”の量で評価されると思い込んでいたんです。

転機は、評価の”中身”が変わった瞬間だった

その後、私はなんとなく昇級しました。劇的な出来事があったわけではありません。ただ、役職が上がって、気持ちに少し余裕ができた。

すると、不思議なことが起きました。

余裕ができたぶん、周りに少し気配りができるようになったんです。後輩が困っていたら声をかける、忙しそうな同僚の作業を少し手伝う、上司が動きやすいように先回りする——以前はカリカリしていてできなかったことが、自然にできるようになった。

そして、それを上司が見て、褒めてくれたんです。

このとき、私は引っかかりを覚えました。

あれだけ作業をこなしても、資格を取っても響かなかったのに、”気配り”が評価された。

技術でも作業量でもなく、「周りへの気配り」が評価された——これは一体どういうことなんだろう、と。

その後、私はディーラーを退職して、今の民間整備工場に移ります。そこで色々と勉強していく中で、あの引っかかりの答えに出会いました。

きっかけは、YouTubeでお金やキャリアについて発信している「リベ大」の両学長の動画でした。そこで語られていたのが、「他者貢献するといい」という考え方です。

「なるほど、あのとき気配りが評価されたのは、これか」と納得した私は、実際に職場で意識して実践してみました。すると——ちゃんと評価されて、昇給という形で返ってきたんです。

【ここが核心】評価とは「貢献」の対価。技術力そのものではない

遠回りして、私がたどり着いた結論はこうです。

評価とは、「貢献」の対価として返ってくるもの。技術力や作業量そのものへの対価ではない。

ここを取り違えると、私のように「こんなにやっているのに」が延々と続きます。技術や資格は、あくまで貢献するための”道具”。大事なのは、その道具を使って「誰に・どんな価値を届けたか」です。

そして、私が実践してみて一番しっくりきたのは、こういうシンプルな原則でした。

貢献先とは、「相手の困りごと」と「相手・会社の利益」につながるところ。だから、”相手が喜ぶこと”をすればいい。

難しく考える必要はありません。目の前の相手が何に困っていて、何があれば助かるのか。そこに自分の技術や気づきを向けるだけ。評価は、その結果として後からついてきます。

評価という一点なら、貢献する相手は「上司」にしぼっていい

「貢献」と聞くと、お客様にも、フロントにも、後輩にも——と、あちこちに気を配らなければいけない気がします。でも、それを全部やろうとすると、自分が疲れてしまいます。

正直に言います。「評価される」という一点だけで考えるなら、貢献する相手は『上司』にしぼっていい、と私は思っています。

理由はシンプルで、あなたを評価するのは上司だからです。お客様への気配りも、後輩へのフォローも、巡り巡って大切なのは確かです。ただ、それが評価につながるかどうかは、最終的に上司がどう見ているかで決まります。だったら、あれもこれもと手を広げて消耗するより、まずは上司の「困りごと」をまっすぐ解消することに集中するほうが、力が無駄になりません。

私がディーラー時代に空回りしていたのは、まさにここでした。作業量や資格という”自分の頑張り”ばかりを増やして、「それが上司にとって、どんな助けになっているか」という視点が、すっぽり抜けていたんです。

「ゴマすり」ではなく、「自分という商品を売り込む」こと

ここで、正直な本音を書きます。

私は以前、「上司に貢献する」と聞くと、それを”ゴマすり”だと思っていました。 媚びを売る、こびへつらう——そういうネガティブなイメージしかなかった。だから無意識に避けていたんです。

でも、今は考えが変わりました。

整備士である私たちは、言ってみれば「自分」という商品を、職場に売り込んでいるようなものです。どんなに良い商品(=技術)でも、その価値が相手に伝わらなければ、選ばれないし、正当な値段(=評価)もつかない。

だから、相手が何に困っているかを理解して、そこに価値を届ける。これは媚びでも、こびへつらいでもありません。「自分という商品の価値を、ちゃんと相手に届ける」という、まっとうな仕事の一部なんです。

この捉え方ができてから、私は「他者貢献」を素直に実践できるようになりました。そして、それが評価につながりました。

上司の「困りごと」を、先回りして潰す

では、上司に貢献するとは、具体的にどういうことでしょうか。難しく考える必要はありません。上司が困っていることを、先回りして潰す。それだけです。

たとえば、報告を早く・具体的にする。判断に必要な材料を、聞かれる前にそろえて渡す。トラブルになりそうな車両を、ひとこと先に耳へ入れておく——。上司が「判断できない」「把握できていない」という状態をなくしてあげると、上司はぐっと動きやすくなります。

ポイントは、やることの量を増やすのではなく、同じ仕事を「上司の助けになるか」という視点で見直すだけということ。これだけで、あなたへの見え方は確実に変わっていきます。

それでも評価されないなら——職場の”評価構造”を疑っていい

ここまで読んで実践しても、まったく評価が変わらない職場もあります。そのときは、あなたの問題ではなく、職場の構造の問題かもしれません。

  • そもそも評価・昇給の仕組みが存在しない(頑張りようがない)
  • 誰が何をしても、給料が横並びで変わらない
  • 貢献しても、その価値を見て判断できる人が上にいない

こうなると、個人の努力だけでは限界があります。ここからは、2つの方向で考えてみてください。

① 今の職場で、上司への貢献を意識して評価を取りにいく
評価制度がある職場なら、まだやれることはあります。「上司の困りごとを先回りして潰す」動き方を、しばらく続けてみてください。

② 貢献を正しく評価してくれる職場へ移る(転職)
構造的に評価されない職場なら、環境を変えるのも立派な選択です。そして転職の面接でこそ、この「貢献」という考え方が武器になります。「自分は何に貢献できるか」を言葉にできる整備士は、強い。

整備士が転職を成功させる完全ガイド【転職先・手順・失敗しない方法を全解説】

まとめ:頑張りの”量”ではなく、”向き”を変える

最後に、いちばん伝えたいことを。

私は長いあいだ、「これだけやっているのに」と思いながら働いていました。でも、評価が変わったのは、作業や資格を増やしたときではなく、「自分の仕事が、上司のどんな困りごとを解消しているか」を考え始めたときでした。

技術を磨くことは、もちろん大事です。でもその技術を、「上司への貢献にどう変えるか」まで意識できると、評価は後からついてきます。

頑張りの量は、もう十分です。あとは、その向きを少しだけ変えてみてください。

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