「転職しようかな」と思って転職サイトを開いてみたものの、こんなところで止まっていませんか。
- 何から始めればいいのか分からない
- 求人を見ても、年収が新卒と変わらない。そもそも金額がはっきり書いていない
- 会社概要を読んでもどこも似たような内容で、自分に合う会社が分からない
- 見れば見るほど、転職すること自体が不安になる
私も同じでした。収入に不安があった時期、空き時間に転職サイトを長々と眺めていました。
同じように悩んでいる方へ、先に結論をお伝えします。
転職が初めてなら、転職エージェント一択です。
転職サイトは、どこが募集しているかを確認する場所——いわば市場の確認として使うものだと思っています。
私自身、転職エージェントに相談した結果、今の会社が自分に合っていると分かり、転職せずに今も働いています。
転職サイト・転職エージェント・ハローワークとは|3つのサービスの違いを解説
言葉は聞いたことがあっても、中身まではっきり知らないという方も多いと思います。まずはここから整理します。
転職サイトとは
求人が並んでいるサイトのことです。
自分で条件を入れて検索し、気になる求人を見つけたら、自分で応募します。応募後のやりとりも、面接の日程調整も、すべて自分と企業のあいだで進みます。
求人を載せている企業が掲載料を払っているので、私たちは無料で使えます。
転職エージェントとは
担当者が付いて、転職活動を一緒に進めてくれるサービスです。
登録すると、まず担当者と面談(電話やオンラインでも可)をします。そこで希望を伝えると、条件に合う求人を探してきてくれます。
やってもらえることは、求人紹介だけではありません。
- 履歴書・職務経歴書の書き方を手伝ってもらえる
- 面接の練習に付き合ってもらえる
- 面接の日程調整を代わりにやってもらえる
- 年収などの条件を、代わりに交渉してもらえる
運営しているのは人材紹介会社で、厚生労働大臣の許可を受けた事業者だけが行えます。こちらも無料で使えます(理由は後ほど説明します)。
ハローワークとは
国が運営している公的機関です。正式には公共職業安定所といいます。
窓口で相談でき、地元の求人に強いのが特徴です。失業給付の手続きもここで行います。
求人の検索や応募は、基本的に自分で進めます。
転職サイト・転職エージェント・ハローワークの違い一覧【比較表】
3つを並べると、違いがはっきりします。
| 転職サイト | 転職エージェント | ハローワーク | |
|---|---|---|---|
| 求人を探すのは | 自分 | 担当者 | 自分(職員への相談も可) |
| 応募・日程調整 | 自分 | 担当者 | 自分 |
| 履歴書・面接の対策 | なし | あり | 相談窓口はある |
| 年収などの条件交渉 | 自分 | 担当者 | 基本なし |
| 求人票にない情報 | 分からない | 聞ける | 限られる |
| 求人の傾向 | 全国・数が多い | 一般に出ていない求人もある | 地元中心 |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 向いている使い方 | 市場の確認 | 初めての転職 | 地元で探す/失業給付の手続き |
いちばん大きな違いは、一人でやるか、誰かと一緒にやるかです。
転職サイトは、探すのも応募するのも日程調整も、全部自分で進めます。
ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。人は変化を嫌う生き物です。「現状維持バイアス」と呼ばれるもので、今に不満があっても、変えるより留まるほうを選びやすい——そういう性質が誰にでもあります。
だから、全部自分で進めなければいけない転職サイトでは、不満はあるのに応募までは進まず、長々と眺めて終わってしまう。心当たりはありませんか。私がまさにそうでした。
ハローワークは地元の求人に強く、窓口で相談もできます。ただ、履歴書や面接の対策までどこまで踏み込んでもらえるかは、担当する職員によります。
そしてもう一つ。ハローワークは窓口に行く必要があり、それなりの待ち時間もかかります。平日しか開いていないので、仕事をしながら通うとなると、それだけで負担になります。
転職エージェントは、求人探しから条件交渉まで担当者が動いてくれます。「求人票にない情報を聞ける」のも大きな違いです。
「年収が新卒と変わらない」「会社概要がどこも同じに見える」という状態は、求人票に書いてあることだけを見ているから起きます。担当者に聞けば、求人票に書かれていない給与の幅や条件を確認できます。
そして何より——誰かと一緒に進められるのが大きいと思います。
担当者との面談日が決まれば、そこに向けて動くことになります。自分一人だと後回しにしてしまうことも、相手がいれば進みます。
転職エージェントが無料の理由|職業安定法で求職者からは取れない
「担当者が求人を探して、履歴書も面接も手伝ってくれる。それで無料」——裏があるのでは、と思いませんか。
私も最初はそう思いました。
結論から言うと、法律で決まっています。
職業安定法という法律で、求職者からお金を取ってはいけないと定められています。エージェント側が「無料にしてあげている」のではなく、取ってはいけない仕組みなんです。
では、どこからお金が出ているのか。採用した企業からです。
企業が人を1人採用するには、求人を出したり、応募者を選んだり、手間もお金もかかります。条件に合う人を連れてきてもらえるなら、その分を払う価値がある。だから企業が負担します。
なお、この仕事は誰でもできるわけではありません。厚生労働大臣の許可を受けた事業者だけが行えます。
だから、登録しても、相談だけで終わっても、あとから請求が来ることはありません。
ただし、仕組みの裏返しもあります
エージェントは、採用が決まって初めて報酬になります。
ということは——決まりやすい求人を勧められる可能性は、仕組み上あります。
これは悪意ではなく、そういう構造だという話です。だからこそ、自分の希望をはっきり伝えることが大事になります。
私の知人は、整備士から産業車両の整備へ移って年収を上げました。うまくいった理由を聞くと、「望む条件を最初にはっきり伝えたこと」だと言っていました。
逆に言えば、伝えなければ、「決まりやすいところ」を勧められるかもしれませんよ。
ハローワークで3社受けて製造工場へ|自力でも転職はできた話
ディーラーで働いていた頃、転職を考えてハローワークに通いました。
当時の私は、転職サイトもエージェントも存在すら知りませんでした。ネットで調べるという発想がなかったんです。だから、思いついた方法がハローワークでした。
結果から言うと、3社受けて、製造工場に決まりました。ハローワーク経由の転職です。自力でも、転職はできます。
ただ、窓口で相談はしませんでした
今になって思うのは、ここです。
私は求人票を見て、自分で選んで、自分で応募しました。窓口で「自分はどんな会社に向いているか」「この経験はどう評価されるのか」を相談することはありませんでした。
相談できることを知らなかったというのが正直なところです。
だから、選ぶ基準は求人票に書いてあることだけでした。給料、休み、勤務地。それ以外の情報は持っていませんでした。
これは個人的な感想ですが
ハローワークは公的な機関なので、無料で使えるのはありがたいです。
ただ、私たちが転職できたからといって、職員の報酬が増えるわけではありません。だからか、私には事務的に感じられました。大勢の求職者をいかにさばくか——そういう場に見えたんです。
もちろん、親身になってくれる職員の方もいると思います。あくまで、当時の私が受けた印象です。
きつかったのは、仕事の中身よりも
製造工場への転職は、全くの異業種でした。それは分かったうえで決めましたし、覚悟もしていたつもりです。
整備士として培ってきた経験は、当然ながら活かせませんでした。そこは想定どおりです。
ただ、本当にきつかったのはそこではありませんでした。
整備士のときは、周りから頼られていました。「これ見てくれ」と呼ばれる。判断を任される。現場で中心にいる感覚がありました。
異業種に移ると、それがそっくりなくなります。頼られることも、任されることもない。
現場で中心にいた人ほど、この落差はきついと思います。私は、思っていた以上にこたえました。気持ちと体が、だんだん離れていく感覚がありました。
結局、私は整備の仕事に戻ってきました。
転職サイトは初心者向けではない|私が眺めるだけで終わった理由
整備の仕事に戻ったあと、私は民間の整備工場で働いていました。
ただ、収入に不安がありました。このままで大丈夫なのか。ほかはどうなのか。そう思って、空き時間に転職サイトを長々と眺めていた時期があります。
結果から言うと、一度も応募しませんでした。
求人票だけでは判断できない|年収も会社概要もどこも同じ
眺めているうちに気づいたことがあります。
- 年収の欄が、新卒と変わらない金額で書かれている
- そもそも金額の幅が広すぎて、自分がいくらもらえるのか分からない
- 会社概要を読んでも、どこも似たような内容
「未経験歓迎」「アットホームな職場」「資格取得支援あり」——どの求人にも書いてあります。これでは、自分に合う会社がどこなのか判断できません。
情報を集めているつもりで、判断できない材料ばかりが増えていく。そういう状態でした。
応募は全部自分で|「そのうちやろう」で先延ばしになる
そしてもう一つ。応募するには、自分で決めて、自分で動く必要があります。
履歴書を用意して、志望動機を考えて、送る。仕事から帰ってきたあとに、それをやる。
「そのうちやろう」で、いつまでも先に延びました。
前に書いた現状維持バイアスです。今に不満があっても、人は変えるより留まるほうを選びやすい。転職サイトは、その性質にまったく抵抗しません。見るのは自由、応募するかどうかも自由。放っておけば、何も起きません。
だから私は、転職サイトを「どこが募集しているかを知る場所」だと思っています。
市場を眺めるには向いています。ただ、初めての転職で使う道具としては向いていません。
なぜなら、転職サイトは「自分で判断できる人」を前提にしているからです。求人票を読んで、自分に合うかを見極めて、自分で応募する。その判断ができる人にとっては、これほど早い方法はありません。
逆に、何から始めればいいか分からない段階では、判断する材料が足りません。私が眺めるだけで終わったのは、そういうことだったと思います。
整備士向けエージェントに相談した結果|転職せずに残ることを選んだ
民間の整備工場で働きながら転職サイトを眺めていた時期、私は整備士ジョブズという整備士向けの転職エージェントに登録しました。
登録後、電話で相談する時間を取ってもらいました。1時間ほど話しました。
聞かれたのは、希望条件・今の年収・現在の働き方
担当者から聞かれたのは、主にこの3つです。
- どんな条件を希望しているか
- 今、いくらもらっているか
- 今、どういう働き方をしているか
そこで私は、民間の整備工場で働いていること、年収、勤務時間(残業がないこと)を伝えました。
このとき初めて、自分の条件を人に説明しました。求人サイトを眺めているだけでは、こういう作業は発生しません。聞かれるから、言葉にする。それだけでも、頭の中が整理されました。
「今の条件は悪くない」と分かった
話していくうちに、見えてきたことがあります。
今いる会社の条件は、悪くない。
年収の額だけを見れば、もっと高いところはあります。でも、残業がないという条件と合わせて考えると、今より良い場所を探すのは簡単ではない——そう分かりました。
眺めていた求人サイトでは、これは分かりませんでした。求人票に書いてある金額と、自分の今の条件を、並べて比べる相手がいなかったからです。
結果、転職活動をやめました
私はそこで、転職活動をやめました。今も同じ職場にいます。
エージェントに登録して、転職しなかった。それでも、相談した意味はあったと思っています。
「今の職場に不満がある」と思っていたものが、「実は悪くなかった」と分かったからです。もし相談していなければ、不満を抱えたまま、転職サイトを眺め続けていたはずです。
ここで、伝えておきたいことがあります。
転職には、大なり小なりリスクがあります。今より条件が下がるかもしれない。私のように異業種へ移って、思っていた以上にきつい思いをすることもある。
ただ、転職活動そのものには、リスクはありません。
登録も相談も無料です。話を聞いたうえで「今のままでいい」と思えば、そこでやめればいい。私が実際にそうでした。
動くかどうかを決めるのは、話を聞いたあとでいいんです。
登録・相談は無料です。私のように「転職しない」という結論でも構いません。
まとめ|転職が初めてならエージェントから始める
転職が初めてなら、エージェントから始めることをおすすめします。
理由は、自分の条件を人に話す機会ができるからです。
聞かれるから、答える。答えるから、整理される。一人で求人票を眺めていても、この作業は起きません。私が転職サイトを眺めるだけで終わったのは、まさにそこでした。
そして——話を聞いた結果、「今のままでいい」となっても構いません。私がそうでした。それも一つの答えです。
転職にはリスクがありますが、転職活動にリスクはありません。
登録・相談は無料です。まずは今の条件を、人に話してみるところから。
なお、どのエージェントを選ぶかで迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。

この記事を書いた人
現役の自動車整備士(整備歴20年・2級整備士/自動車検査員)。整備の技術のほか、整備士の転職やお金・家計についても、現場のリアルと実体験をもとに書いています。


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