「整備士が転職なんてしても、給料が下がるだけ」——そう思って、動けずにいませんか。
気持ちはよく分かります。私自身、20年整備の現場にいて、ディーラーから民間の整備工場へ移ったとき、正直「前より給料が減ったな」と感じた側の人間です。
でも、実際に自分が転職に挑み、知人の成功と自分の失敗を間近で見てきて、はっきり言えることがあります。整備士の転職には、年収が「上がる人」と「下がる人」がいる。そしてその分かれ目には、ちゃんと理由があります。
この記事では、きれいごと抜きで——下がりやすいパターン、逆に上がった知人の実例、そして私が同じ道に挑んで“失敗”した話まで、正直にお話しします。
整備士の転職は「上がる」も「下がる」もある
「整備士の転職=収入ダウン」というイメージは根強くあります。これは半分は当たっていて、半分は思い込みです。
正直に言えば、何も考えずに動けば下がることの方が多い。一方で、条件を選んで動いた人は、ちゃんと年収を上げています。大事なのは「転職すれば上がる/下がる」ではなく、どんな転職なら上がって、どんな転職なら下がるのかを知ることです。まずは“下がりやすいパターン”から、正直に見ていきましょう。
年収が“下がりやすい”転職パターン
① ディーラーから民間の整備工場へ
これは私自身が通った道です。同じ自動車整備でも、ディーラーと民間では給与の仕組みが違うことが多く、手当や賞与を含めると、ディーラー時代の方がもらえていた——そう感じました。
※もちろん会社によります。民間でも待遇の良いところはありますし、逆のケースもあります。
② 業界は似ていても「未経験扱い」で入る
整備の世界に近い業界へ移っても、その分野が“未経験”だと、評価は新人スタートになりがちです。せっかくの経験が給料に反映されず、結果的に下がる。「似ているから大丈夫」と思い込むと、ここでつまずきます。
逆に“上がった”実例:整備スキルが活きる成長業界へ
一方で、年収を上げた人もいます。私の知人です。彼は自動車整備士から、産業車両・重機系の整備へ移り、年収を上げました。同じ“整備”でも、分野を変えたわけです。なぜ上がったのか。振り返ると、理由は3つあったと思います。
- 整備スキルが即戦力として通用した:エンジン・油圧・電装といった経験が、その分野でもそのまま活きた。ゼロからの新人ではなく、“使える人材”として評価された。
- 成長業界で人手を欲しがっていた:業界そのものが伸びていて人材不足。だから条件も良かった。
- 転職エージェントを使った:一人で探すのではなく、エージェント経由で好条件の求人に出会えた。
そして、これは彼から聞いた大事な話ですが——「自分が望む条件を、ハッキリとエージェントに伝えたこと」が、良い条件につながったそうです。丸投げではなく、“何がほしいか”を言葉にして渡した。ここがポイントでした。
私も同じ道に挑んで「失敗」した話
実は私も、この産業車両・重機系への転職に挑んだことがあります。民間の整備工場に移って間もない頃。「ディーラー時代より給料が少ないな」と感じていた時期に、ちょうどその知人の紹介で、声をかけてもらったんです。紹介があったので、面接まではすんなり進みました。コネがあった、とも言えます。
でも——内定はもらえませんでした。
理由ははっきりしています。面接で、自分の魅力を伝えきれなかった。「自分は整備士として、こういう経験があって、こう役に立てる」という即戦力としての価値を、言葉にできなかったんです。
正直に白状すると、私は自己アピールが得意ではありません。そもそも自己分析——自分の強みは何か、市場でどう評価される人間なのか——ができていなかった。だから、聞かれても魅力的に語れなかった。知人の紹介という、これ以上ない“きっかけ”があったのに、それでも落ちた。これが私の失敗です。
なぜ“一人”の転職は失敗しやすいのか
私の失敗から、はっきり言えることがあります。良い求人に出会うことと、その求人に受かることは、別の話だということです。一人で転職に挑むと、だいたいこの壁にぶつかります。
- 自分の市場価値が分からない:経験が他社でいくらの価値になるのか、見当がつかない。
- アピールの仕方が分からない:強みを言葉にできない(=自己分析ができていない)。
- 条件交渉ができない:言われた条件をそのまま飲むしかない。
私はコネがあっても、アピールで落ちました。裏を返せば、“伝える力”さえあれば結果は違ったかもしれない。でも、それを一人で身につけるのは、正直むずかしいです。
【本音】でも今は「採用されなくてよかった」と思っています
ここまで“失敗談”として話してきましたが——今の正直な気持ちを言うと、あのとき採用されなくて、よかったと思っています。理由は2つあります。
ひとつは、家計管理です。転職がうまくいかなかったあと、私は自分の家計と本気で向き合いました。収入と支出をちゃんと把握したら、「思っていたより、今の給料でもやっていける」と分かった。年収の数字だけを見て焦っていた自分に気づいたんです。(→家計管理の具体的なやり方は整備士のお金の悩みを解決する完全ガイドで詳しく書いています)
もうひとつは、時間です。今の民間の職場は、定時で上がれます。ディーラー時代のように遅くまで追われることが減り、仕事中心だった生活から、家族と過ごす時間や、自分の人生に使える時間へとシフトできました。
お金だけを追いかけていたら、この“時間の豊かさ”には気づけなかったと思います。年収の数字は、転職の目的の“ひとつ”でしかない。これは、失敗して初めて分かったことでした。
じゃあ、どうすればいいのか
まず「自分が転職で本当に手に入れたいもの」を決める
年収なのか、時間なのか、職場環境なのか。ここが曖昧なまま動くと、私のように“数字だけ”を追って後悔しかねません。まずは自分の軸を決めましょう。(※「今の給料で本当に足りないのか」は、家計を把握してから判断するのがおすすめです →お金・家計の完全ガイド)
年収を上げたいなら、この2つ
もし「やっぱり年収を上げたい」と決めたなら、私の失敗から言えることは2つです。
- 整備スキルが“即戦力”として通用する、成長業界を狙う。 未経験の分野ではなく、これまでの経験がそのまま武器になる場所を選ぶ。
- 一人で挑まず、プロ(転職エージェント)を使う。 私は使わず、自己分析もアピールもできないまま挑んで失敗しました。
自己分析やアピールが苦手なら、エージェントが効く
転職エージェントは、まさに私が失敗した部分を埋めてくれます。
- 経験の棚卸し(自己分析)を手伝ってくれる:自分の強みや市場価値を、客観的に言葉にしてくれる。
- 面接対策をしてくれる:どう伝えれば魅力が伝わるか、アドバイスがもらえる。
- 条件交渉を代わりにしてくれる:望む条件を伝えれば、間に立って交渉してくれる。
知人が好条件を勝ち取れたのも、「望む条件をハッキリ伝えた」からでした。アピールや交渉が苦手な整備士ほど、この“翻訳者”の存在は大きいはずです。
※ただし正直に言うと、エージェントを使えば必ず成功するわけではありません。担当者との相性もありますし、合わないと感じることもあります。あくまで「一人で挑むより有利になりやすい」という話です。合わなければ担当を変える、複数を比べるくらいの気持ちで使うのがいいと思います。
まとめ:上がる転職・下がる転職の分かれ目
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 転職には年収が「上がる人」と「下がる人」がいる。何も考えず動くと下がりやすい。
- 下がりやすい:ディーラー→民間のように、給与構造そのもので下がる転職。
- 上がりやすい:整備スキルが即戦力で通用する、成長業界。
- 成否を分けるのは「自己分析」——自分の強みと望む条件を言葉にできるか。
- 苦手なら、転職エージェントの“棚卸し・面接対策”が効く(※必ず成功ではない)。
- 動く前に、「自分は何がほしいのか(年収/時間/環境)」を決めること。
私は一度、転職に失敗しました。でもそのおかげで、家計を見直し、時間の価値に気づけた。今ではそれでよかったと思っています。あなたの転職が、“数字だけ”ではなく、“あなたの人生”にとって良いものになりますように。
具体的な転職の進め方や、整備士におすすめの転職エージェントは、こちらの整備士 転職 完全ガイドでまとめています。



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