- お客さんから「エアコンの風が出ない」と言われた
- ブロアファンが回らないけど、どこから診ればいいか分からない
そんな新人整備士の方に向けて書きました。
ブロアファンが回らない原因は、大きく5つに絞れます。
この記事では、整備士を20年以上続けている私が、原因を効率よく切り分ける6つのステップを解説します。
- 操作パネル(スイッチ)
- ヒューズ
- リレー
- ブロアモーター
- レジスター(オートエアコンはパワートランジスタ)
- ブロアファンが回らない原因を切り分ける6つのステップ
- テスターを使った、ヒューズ・電圧・レジスターの点検方法
- オートエアコンでやりがちな誤診
1 ブロアファンの操作パネルの確認|スイッチ自体の故障か見る
- エアコンスイッチなど、ほかの電装が操作できるかを見る
操作できれば、パネルに電源は来ている可能性が高い - 風量スイッチを1段ずつ切り替えて、液晶の表示と実際の風量が合っているかを見る
すべての段で回らない → ②ヒューズから順に確認
一部の段だけ回らない(最大のときだけ回る、など) → ⑥レジスターを疑う
2 ヒューズの確認|抜かずにテスターで導通を見る
- ヒューズボックスの場所を、取扱説明書で確認する(運転席・助手席など)
- ブロアモーター用のヒューズを探す(取扱説明書・ヒューズボックスのフタで確認)
- ヒューズの頭に見えている2か所の金属部分に、テスターを当てて導通を確認する
- 導通がある → ヒューズは切れていない → ③へ
- 導通がない → ヒューズ切れ → 交換
ヒューズを抜かずに点検できます。
抵抗レンジで測る場合は、数値が出れば切れていない、OL(無限大)なら切れています。
3 電源電圧の確認|コネクタは付けたまま12Vを測る
- エンジンを始動し、ブロアスイッチをON
- ブロアモーターのコネクタは付けたまま、配線側(裏)からテスターを+と−に当てる
- 12Vが来ていない → ④リレーの確認へ
- 12Vが来ている → ⑤ブロアモーター単体点検へ
テスター棒はコネクタの端子に差し込まず、軽く当てるだけです。テスターの当て方は、こちらで基本から解説しています。

4 リレーの確認|同じ型のリレーと差し替えて確かめる
- ブロアモーター用のリレーを探す(リレーボックスのフタの裏に書いてあります)
- 同じ型のほかのリレーと差し替えて、ブロアファンが回るか確認する
- 回る → リレー不良
- 回らない → リレーからモーターまでの配線やスイッチ側を、配線図で確認する
5 ブロアモーター単体点検|バッテリーに直接つないで回るか見る
- ブロアモーターを車両から取り外す
- バッテリーから直接、モーターの+と−につなぐ
- 回る → モーターは正常 → ⑥レジスターの確認へ
- 回らない → ブロアモーター不良
モーターが回った場合、それなりに勢いよく回ります。
ケガをしないように、手や工具を近づけずに作業してください。
6 ブロアファンレジスターの点検方法|マニュアルとオートで判断が違う
風量を調整する部品は、エアコンの種類で違います。
| エアコン | 風量を調整する部品 |
|---|---|
| マニュアル | ブロアレジスター(抵抗器) |
| オート | パワートランジスタ/ブロアモーターコントローラ(電子制御) |
ブロアレジスターの簡易点検(マニュアルエアコン)
- 風量が出ていない段にスイッチを合わせる
- コネクタは付けたまま、ブロアモーターの手前(+側)の電圧をテスターで測る
- 電圧が来ていない → レジスター不良の可能性が高い
- 電圧が来ている → ブロアモーター側を疑う
これで、レジスターとブロアモーターのどちらが悪いかを簡易的に見分けられます。
なお一部の車種では、レジスターが壊れると風量最大のときだけ回ることがあります。
テスターの当て方は、こちらで基本から解説しています。

パワートランジスタのタイプは、風量が出ていないときにブロアモーターの手前の電圧を測っても、電圧が来ていることがあります。
ここで「電圧が来ているからブロアモーター不良」と判断すると、誤診になります。私自身、一度経験しています。
オートエアコンの場合は、修理書の手順に沿って点検してください。
レジスターがブロアモーターの手前にあるか後ろにあるかは車種によって違うので、配線図や修理書で確認するか、部品商に確認してください。
まとめ:原因の切り分け早見表
| 原因 | 症状・見分け方 | ステップ |
|---|---|---|
| 操作パネル不良 | ほかの電装も作動しない可能性がある | ① |
| ヒューズ切れ | ヒューズの頭の金属部分で導通がない | ② |
| リレー不良 | モーターまで12Vが来ていない。同じ型のリレーに替えると回る | ③④ |
| ブロアモーター不良 | 12Vが来ているのに回らない。バッテリーに直接つないでも回らない | ③⑤ |
| レジスター不良 | 最大風量のときだけ回る。回らない段でモーターの手前に電圧が来ていない | ①⑥ |
| パワートランジスタ不良(オート) | モーターの手前に電圧が来ていても不良のことがある → 修理書の手順で | ⑥ |
今回の解説は、ざっくりとした診断です。車種によって違いがあり、修理書や配線図を見ないと判断できないこともあります。
ただ、ヒューズ・リレー・モーター・レジスターの4つは、トラブルが起きやすい部分です。
焦らず、確実にチェックしていきましょう。
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この記事を書いた人
現役の自動車整備士(整備歴20年・2級整備士/自動車検査員)。整備の技術のほか、整備士の転職やお金・家計についても、現場のリアルと実体験をもとに書いています。


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